研究開発項目 3
パーキンソン病関連疾患における脳‐臓器連関の研究
研究開発課題 5
パーキンソン病前駆期モデル動物を活用した臓器間ネットワークの解明と
ヒトへのトランスレーションによるリスク予見法の創出
パーキンソン病関連疾患は日本における認知症原因疾患の3大要因の一つです。
パーキンソン病では近年、原因タンパクであるアルファシヌクレインが嗅覚路や腸管など末梢から脳へ、
またその逆の脳から末梢臓器へと拡がっていく可能性が提唱されており、特に臓器連関が想定される疾患の一つでもあります。
他にも嗅覚を司る嗅球からアルファシヌクレインが広がっていくとする仮説やその両方が関係するという説もあります。
また、パーキンソン病および認知症発症までに、既に全身のあらゆる臓器にアルファシヌクレインの蓄積がみられることがわかっています。
研究開発課題5では、本課題推進者らにより独自に開発されたパーキンソン病発症前駆期モデルマウスと、
ヒトにおけるパーキンソン病の発症前・発症後レジストリから得られるデータを、数理グループと連携して統合し、
パーキンソン病発症前から超早期を含む病態の解明・診断バイオマーカーの探索を行います。
これにより、発症前あるいは超早期からの介入が可能な治療開発を推進します。
研究開発課題 6
腸管免疫に着目したパーキンソン病における臓器間ネットワークの解明
腸管は体内の最大の免疫組織のひとつでもあることから、腸管の免疫とパーキンソン病の関連は注目されつつあります。
研究開発課題6では、主にパーキンソン病モデル動物を用いて、アルファシヌクレインの蓄積と腸管免疫を主体に腸と脳の関連を解明します。
遺伝学改変マウスモデルのみならず、自然経過でパーキンソン病を発症する魚類モデルなども活用し、
超早期の腸内環境とパーキンソン病の病態の解明・治療法の開発を推進します。
課題推進者
山門 穂高
前駆期モデル動物を中心とした臓器連関・発症予測マーカーの開発から神経変性疾患研究を推進
三宅 幸子
腸管免疫を主体にした超早期の病態解明と早期バイオマーカー開発から神経変性疾患研究を推進
松井 秀彰
超早期疾患メカニズム解析および発症の超早期予測と予防の概念実証から神経変性疾患研究を推進
木下 允
腸管上皮バリア機能変化と病態促進ネットワークの解明から神経変性疾患研究を推進
髙橋 祐二
発症前コホートの臨床・画像・バイオリソース利活用基盤構築により神経変性疾患研究を推進